Interview

インタビュー

ハイテクから次世代を創造するクリエイターへ。

2016.01.29 | 商品開発

日本初の試みとして電子出版業界と教育提携した情報システム学科。今回はそのe-Book専攻の学生4人と講師であるIMPACT代表の久保氏に、その新たな教育環境から生まれた成果や未来を語っていただきました。

日本初の試みとして電子出版業界と教育提携した情報システム学科。
今回はそのe-Book専攻の学生4人と講師であるIMPACT代表の久保氏に、その新たな教育環境から生まれた成果や未来を語っていただきました。
座談会メンバー_PC

e-Bookは電子的に情報を組み込んだ、いままでにない新しい「本」なんです。― 上野 ―

網干    実は私IT系は本当に弱いんですけど、e-Bookってそもそもどんなものなんですか?
上野    わかりやすく言うと活字をデジタル化した「電子書籍」で、パソコンやタブレット、スマートフォンなんかを使って読んだり、利用したりできる新しいカタチの本です。
中山    ぼくらはそこに動画やさまざまな情報を電子的に組み込んでいくことで、今までになかった面白い「本」が創れるんじゃないかと試みているわけです。
赤城    でも、あくまでも「本」なので、読み物としての一線を超えちゃいけない。動画を入れたり、リンクを張ったり、あまりやり過ぎると、「じゃあ、本って何?」ってなっちゃう。
中山    そうなったら、もうホームページの世界ですからね。全体のデザインだけじゃなく、そこらへんのバランスを考えるのもe-Bookクリエイターの腕の見せどころかな?
網干    ただ活字が電子的に打ち込んであるだけじゃないのね?
百刈    はい。そこに動きがあって、本の世界が広がっていく感じです。

本の持っている魅力が進化する。その現場に立っていることが嬉しい。― 中山 ―

座談会photo1
網干    その世界が広がる感じって、具体的に言うとどう言うことかしら?
中山    たとえば旅行へ行くとして、本を何冊もカバンに入れて持ち歩くのって大変じゃないですか。e-Bookならタブレット一枚です。むしろ、どこへ行っても読みたい本が読めるので身軽に旅を楽しめる。そう、旅の世界が広がる!(笑)
上野    僕はかなりの本が好きで、買った本が棚に収まらず、部屋のあっちこっち山積みになっている。本の整理は僕の永遠の課題でしょうか。でも、それがe-Bookなら一気に悩み解決ですよ。そうそう、部屋の使える空間が広がる!(笑)
久保    みんなうまいこというなぁ~。
赤城    読む楽しさが広がる、っていうのもあるな。今日は何ページ読んだとか、今月は何冊読破したとか。ランニングのアプリみたいに読書記録をすぐにチェックできる機能をつけたら、本を読む楽しさもましますよね。
百刈    あと、本にまつわる多くの情報が得られるところ。この漢字、なんて読むんだったかな、どんな意味だったかな、どんな発音だったかな、なんて時もすぐに調べられる。本そのものの世界が広がる!
網干    言葉の意味や発音まで調べられるんだ?久保先生、e- Bookの世界ってすごいんですね。
久保    たとえばロシア文学なんて、登場人物の名前がわかりにくいじゃないですか?そういう時に人物名をクリックすると、どういう人物像かとか、相関図がでてくるとか、読んだところまでのあらすじなんかも、クリックして確認しながら読むこともできる。本の持つ世界観をより深く理解できるように情報を組み込むことができれば、今までにない新しい読書のスタイルが生まれるはず。そこがe- Bookの一番大きな可能性じゃないでしょうか。
中山    本の世界がいま進化しようとしている。ぼくらはその現場に立っているんです。久保e-Bookじゃないと読めない、読みたくない、そんな時代ももうすぐじゃないですか?

日本の出版業界はちょっと厳しい状況です。
だからこそ若い才能が必要なんです。― 久保 ―

網干    e-Bookの現状はどうなんですか?
久保    いまはまだそこまで到達できていないのが現状です。各出版社とも、今まであった本をPDF化して出すのが精一杯。業界では自虐的に“自炊”と呼んでいます(笑)。手間もかからないし、印刷代もかからない。読者に対して安く提供できるので、今は業界全体がそっちのほうへ走っています。それをなんとかこの若い人たちの世代で食い止めなきゃいけない。

座談会photo2

赤城    ぜったい変えますよ、僕たちが。
久保   実際、今はなかなか本が売れない時代で、売れないのは面白い本がないから。冒険もしていない。だから新しいクリエイターが必要なんです。時代をあっと言わせる若い発想が。斬新なアイデアを持った若者たちが本づくりの最前戦で格闘していけば、かならず時代を変えることができる。その可能性を引き出していくのが、今のぼくの仕事だと思っています。
中山    お願いします。どんどん引っ張りだしてください!
久保   我々東京でe-Bookの懇親会を作っているんですけど、いま一致しているのが、ハイテクさんからそういう次代を担うクリエイターを輩出しようと。今年のメンバーには、みんなすごく期待しているんですよ。
中山    先生、それホントですか?
久保    君たち、まだ懇親会の中でやってないから事の重大さに気付いてないだけ。
百刈   なんか、いきなりハードルあがってるんですけど…。
上野    東京へ行きたい!

e-Bookクリエイターになるためには、なんでも面白がる才能が必要なんですね。― 網干 ―

網干    そんな憧れのe-Bookクリエイターになるために必要なものってなんですか?
久保    そうですね、好きなことをとことん面白がる気持ち。常識にとらわれない自由な発想。それと、ある種の不埒さみたいなもの、かな。時代を変える奴らって、けっこう不埒なやつらが多いんですよ。明治維新を起こした面子だってそうでしょ。日本を洗濯してやる、とかね。
赤城    e – Bookで世界を変えてやる、とか。(笑)
久保    そうそう、だから今はとにかく回りを巻き込んでいける強い発信力を身につけなきゃいけない。この世界では自分をアピールしないと生きていけないからね。隣の人間と
同じでいいならそれでもいいんだけど、クリエイティブってそうじゃないはずなんだ。
上野    この世界で好きなことをやって生きて行いけたら最高ですね。
久保    ぼくは土日も休まない。なぜって、好きなことやってるから。土日に凄いものを作って、月曜日にみんなをあっと驚かせる。それが楽しいんだよね。ワクワクする。そんな風に楽しみながら、人が働いてる平日に休んで映画に行ったりする。それがまた楽しい。
百刈    ぼくもそうなりたい。

最先端に立つプロのアドバイスがもらえる。e-Book専攻を選んで本当に良かった。― 百刈 ―

網干    じゃあ、みんなに聞こうかな。ハイテクでe-Bookを学ぶメリットは?
上野    もちろん、e- Bookの最前線にいる企業と連携してやれるところですよね。
赤城    実際の編集作業中にアドバイスをもらえるのも大きい。やっぱりプロなので指示が的確で。ああ、プロは凄いって。
中山    ひとつひとつ「あ、そうだ!」と気付かされるし、納得できちゃう。
赤城    でも、基本的にはなんでも自由に任せてくれるんです。細かい指示や押しつけがなくて、時々迷ったときだけ方向性を与えてくれる。なんかきっかけをもらっている感じかな。
百刈    現場にいる方から直接アドバイスをもらっているので、自分たちとのレベルもかなり上がっている気がする。いいものが出来ると、楽しさもどんどんアップしていきますね。
赤城    褒められると自信もつくね。一番いいe-Bookを作るのは俺だって思っちゃう(笑)。
網干    いまハイテクは産学官の協同教育に力を入れています。
久保    これからはもっと地域との連携が深まっていくと良いですね。たとえば恵庭市のパンフレットなんかもe-Book的なものを提案して一緒に作っていくとか。せっかく最先端の発信メディアを学ぶ学生がいるのですから。それでe-Book専攻の卒業生が恵庭市の広報に採用されたり、地域の印刷会社や制作会社に就職したり、自分たちで会社作っちゃってもいい。「恵庭に行けばいい本が作れる」「e- Bookを知りたければ恵庭に行け」なんて言われて、e-Bookが地域の顔になっていく。そのうちにe -Bookのeはeniwaのeになるかも知れない(笑)。

これがe-Bookだって自慢できる作品をこの手で世に送りだしたい。― 赤城 ―

座談会photo3
網干    なんだかすごく夢がひろがりますね。じゃあ、みんなの夢をきかせてもうおうかな?
上野    明確な設計はできてないですけど、卒業したら東京に行ってデザインの仕事に係われたらいいなと思っています。
中山    ぼくは基本なんでもできるようになりたい。絵がかけて、写真が撮れて、デザインもできる。e-Bookはそんな夢に近づくための第一歩なのかも知れません。
赤城    はここにいる4人の中で、誰よりもe- Bookをものにして成功したい。これがe-Bookだっていうものを絶対に見つけてやる!
百刈    ぼくは久保さんの背中を追いますよ。だって、平日自由に休めるって最高じゃないですか。人が働いているときに休めるって優越感だよね。網干それでは、最後にこれからのe-Bookを学ぼうという学生にメッセージをお願いします。
上野    デザインや編集が好きなら、絶対e-Book専攻はおススメしたいですね。
中山    絵とかwebが好きだったら、その世界がもっともっと好きになれる場所だと思う。ぼく自身、大好きだった絵が10倍くらい好きになった。
赤城    e- Book専攻は基本的に自由で、何をやってもいい場所。自分が思っていること、自分だけにしか思いつけない発想を爆発させたい!そんなキミ、待ってるよ。
百刈    僕は簡潔に。モノ作りが好き、絵をかくのが好きな人ならみんなウエルカムですよ。

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網干    新しい時代を発信できる若者がハイテクからどんどん巣立って行くと思うと、ワクワクしますね。なんだか君たち、カッコよくみえてきたぞ。本日はありがとうございました。

座談会photo4

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久保ディレクター
クリエイティブディレクター
久保 範明
IMPACT
インパクト代表取締役
日本の主要な出版社と取引があり、文庫本・単行本・ムックの企画立案、教育、教養、旅行、専門書、ノウハウ本、実用書など幅広く企画を立案するクリエイティブカンパニー。