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  1. バイオテクノロジーとは?バイオテクノロジーのメリットや課題を解説!

バイオテクノロジーとは?バイオテクノロジーのメリットや課題を解説!

 

バイオテクノロジーとは?バイオテクノロジーのメリットや課題を解説!

私たちの生活を豊かにする技術として、今注目を集めているのが「バイオテクノロジー(バイオ技術)」です。医療や食品、環境保全、農業など、あらゆる分野で活用が広がっており、未来を支える技術ともいわれています。
そこで今回は、バイオテクノロジーの基礎知識や私たちの暮らしにもたらすメリット、考えるべき課題まで、わかりやすく解説します。

バイオテクノロジー(バイオ技術)とは?

バイオテクノロジーとは、「生き物の力を利用して、私たちの暮らしや社会に役立てる技術」のことです。生物が持つ働きや性質を人間の生活に応用することで、これまで不可能だったことが実現できます。
たとえば、酵母菌を使ってパンやお酒を作ることや、乳酸菌などの働きでチーズやヨーグルトを作る発酵技術は、昔から知られるバイオテクノロジーの基本形です。近年では、細胞を使って薬を開発したり、遺伝子を解析して病気のリスクを予測したりと、バイオ技術の応用はますます進んでいます。
このような技術は医療や製薬だけでなく、食品業界、農業、環境保全などにも広がっており、人々の健康と生活の質の向上に大きく貢献しています。バイオ燃料やバイオプラスチックなど、環境に配慮した技術開発の分野でもバイオテクノロジーは重要な役割を果たしています。

バイオテクノロジーと品種改良の違い

バイオテクノロジーと昔ながらの品種改良は、どちらも動植物を「よりよくする」ための手法ですが、そのアプローチやスピードは大きく異なります。品種改良は、自然界での交配や突然変異などを利用して、優れた性質を持った個体を選び出し、長い時間をかけて改良を進めていく方法です。
品種改良は、いわば自然に近い選択であり、農家が何世代にもわたって観察と選別を繰り返すことで、徐々に理想的な特性を持つ品種を作り上げていきます。甘みが強い果物や寒さに強い稲などが、品種改良によって生まれてきた事例があります。
一方、バイオテクノロジーは、遺伝子そのものを直接操作することで、短期間で目的に応じた性質を生み出せます。従来の交配では得られないような性質を、ほかの生物の遺伝子を導入することで得られるのが特徴です。

バイオテクノロジーの歴史

実は、バイオテクノロジーの歴史は非常に古く、紀元前の発酵食品づくりにさかのぼります。チーズやヨーグルト、味噌、醤油などは、微生物の働きを活かした発酵技術であり、古代の人々は経験的にバイオ技術を使っていたといえます。
メソポタミアやエジプト文明では、すでに発酵食品が日常的に作られていた記録があり、微生物の利用に関する知識が現代のバイオ技術の基礎として蓄積されていました。昔から使用されているバイオ技術として、ワインやビール、パンの発酵過程などがあります。発酵という「自然の力」を利用した技術が、現代ではさらに洗練されていきました。
1953年にDNAの二重らせん構造が発見されてからは、遺伝子の働きや情報の伝達に関する理解が深まりました。発酵と微生物の関係を科学的に証明し、バイオテクノロジーが「経験」から「科学」へと進化する大きな転換点となりました。
20世紀になり、DNAの構造が明らかになったことで、遺伝子レベルでの研究が加速します。そして、1970年代には遺伝子組み換え技術が登場しました。
その後には、バイオ技術を用いた医薬品が実用化され、医薬品の生産や遺伝子治療、バイオ農業、さらには再生医療などが急速に発展してきました。現在では、ゲノム編集や合成生物学といった新しい分野も登場し、バイオテクノロジーはますます進化を続けています。

バイオテクノロジーのメリット

近年バイオテクノロジーが注目されていますが、さまざまなメリットがあります。具体的にどのようなメリットがあるかを確認しましょう。

病気の治療や薬の開発がさらに進む

遺伝子を解析することで、病気の原因や体質を調べ、個人に合った薬や治療法をつくる「個別化医療」が実現します。従来の一律な治療とは異なり、一人ひとりの体質や遺伝的特徴に基づいた医療が可能になるため、より高い効果を期待できるとされています。
それだけではなく、難病やがんなどに対する新しい治療法の開発も、バイオ技術が支えています。たとえば、遺伝子の一部を修正する「ゲノム編集医療」などが注目されています。従来治療が困難だった病気を治療できる可能性があり、今後の医療の常識を大きく変えると期待されています。

食料を安定して作れるようになる

遺伝子組み換え技術やゲノム編集技術を使うことで、病気や乾燥に強い作物を作り、世界中で安定した食料供給を実現しようとする取り組みが進んでいます。従来の作物では育たない環境でも、厳しい環境に耐えられる作物を開発することで、気候変動による農業への影響を軽減できます。
さらに、栄養価を高めた作物の開発も進んでおり、発展途上国などでの栄養改善にもつながります。たとえば、ビタミンAを多く含む「ゴールデンライス」などがその代表例です。

環境にやさしいモノづくりが可能になる

微生物の力を使って、廃棄物を分解したり、環境にやさしい燃料を作ったりできます。従来の化石燃料に依存しない持続可能な社会の実現が期待されています。
たとえば、トウモロコシから作られるバイオエタノール、油脂を利用したバイオディーゼルなどが実用化されており、注目を集めています。
海洋汚染の原因となるプラスチックに代わる「バイオプラスチック」の研究も進んでおり、自然環境への負荷を軽減する新たな素材として、今後ますますの活用が期待されています。

バイオテクノロジーの課題

バイオテクノロジーには、メリットがたくさんありますが、乗り越えるべき課題もいくつかあります。ここでは、バイオテクノロジーの課題について解説します。

安全性や倫理の問題

遺伝子を操作する技術には、生命の根幹に関わる操作が含まれるため、「どこまで許されるのか」「何が人道的か」といった倫理的な議論が欠かせません。たとえば、ヒトの遺伝子を改変することで、病気の予防や治療が可能です。
一方、意図しない副作用や世代を超えて受け継がれる遺伝的変化が起きる可能性もあるため、その影響を慎重に考える必要があります。動物実験の扱いやクローン技術の是非なども、バイオ技術が進むなかで重要な倫理的問題として注目されています。
技術の利用範囲が商業目的に偏ると、生命の尊厳や自然との共生といった根本的な価値観と衝突する恐れもあるため、社会的コンセンサスを得るための対話が必要とされます。

ルールづくりや社会の理解

技術が進む一方で、それに追いつく法律や制度がまだ整っていないのも現状です。とくに、遺伝子情報の扱いやバイオ製品の表示義務など、利用者の安全と知る権利を守るルールが十分でないと、不安や誤解を生む可能性があります。
社会全体で正しい理解を深め、安心して技術を受け入れられるような仕組みが求められています。そのためには、専門家だけでなく一般の人々にも分かりやすい情報提供や教育が必要です。
国際的な技術競争のなかで、世界各国の規制やガイドラインとの調整も必要になるため、日本としてもルール整備と社会啓発を進めていくことが重要です。

バイオテクノロジーが活かされている分野

バイオテクノロジーはさまざまなメリットがありますが、どのような分野で活用されているのでしょうか。ここでは、バイオテクノロジーが活用されている、3つの分野を解説します。

医療(がん治療・再生医療・ワクチン開発など)

バイオテクノロジーは医療の分野でも欠かせない存在です。抗体医薬品や失った組織を再生させる再生医療、新しい感染症に対応するワクチンなど、最先端の医療技術にバイオ技術が活用されています。
遺伝子診断の分野でも、患者ごとに最適な治療法を提供する手段としてバイオ技術が発展を支えています。新型コロナウイルスのワクチン開発でもmRNA技術が注目されましたが、これもバイオテクノロジーの成果の一つです。
今後はアルツハイマー病など、これまで治療法のなかった病気への応用も期待されており、より多くの命を救う可能性を広げています。

食品(発酵・保存・遺伝子組み換え作物など)

発酵技術を応用した健康食品や腐りにくい野菜の開発、特定の栄養素を強化した食品など、私たちの食生活を豊かにする製品が生まれています。たとえば、低カロリー・高タンパクといった機能性食品の研究が進んでおり、健康志向の高まりに応える形で商品化が加速しています。
長期保存が可能な作物の開発も進められており、食料の安定供給や食品ロスの削減にもバイオ技術の力が大きく貢献しています。

環境(バイオ燃料・廃棄物の分解など)

プラスチックごみに対応する生分解性プラスチックの開発や、CO2を吸収しながら成長する藻類を利用したカーボンリサイクルなど、脱炭素社会の実現に向けた取り組みも進んでいます。バイオ技術は持続可能な社会の実現に向けて、重要な技術として期待が寄せられています。

バイオテクノロジーを学ぶには?

バイオテクノロジーを本格的に学ぶためには、高校卒業後に大学や専門学校に進学するのが一般的です。大学では基礎から研究まで広く学べます。一方、専門学校では実験や実習を中心に、より実践的な技術を短期間で身につけられます。
バイオ系の学科では、生物・化学・遺伝学・微生物学などの授業のほか、最新の機器を使った実験や企業との連携授業なども行われており、将来の進路に合わせて多様なスキルを習得できます。
大学か専門学校に通うかは、どのような内容を勉強したいか、学費、通学年数などを考慮して選択するのが望ましいです。

バイオテクノロジーを学べるおすすめの学校

バイオテクノロジーを学べる学校はたくさんあります。ここでは、専門学校と大学の違いについて詳しく解説します。

専門学校なら実験・実習中心で学べる

専門学校では、実験・実習の時間が多く、即戦力としてのスキルが身につきます。現場に近い内容のカリキュラムが特徴で、企業との連携やインターンシップの機会も豊富です。たとえば、実際に使用されている実験機器やバイオ製造ラインに近い環境での実習を通じて、現場で役立つ技術やノウハウを身につけられます。
授業では最新の研究動向を取り入れながら、バイオ医薬品や食品分野など多様な業界に対応できる幅広い知識を学びます。少人数制の授業が多く、講師との距離も近いため、気になることをその場で解決できる環境も魅力です。就職活動のサポートも手厚く、業界特化の求人情報や履歴書・面接対策など、キャリア支援も充実しています。
専門学校は、実践的に学びながら、早期にバイオ業界で活躍したいと考える人におすすめの進路です。

大学では研究や最先端技術に触れられる

大学では、生物学や化学、遺伝子工学、細胞生物学などの基礎から始まり、再生医療やゲノム編集といった最先端技術まで、体系的に学べます。
学内の研究室で卒業研究に取り組むことで、実際の研究手法やデータ分析のスキルを身につけられ、論理的思考力や問題解決能力も養われます。大学院に進学すれば、より専門性の高いテーマに挑戦できるだけでなく、国内外の学会発表や共同研究などを通じて、国際的な研究にも参加するチャンスがあります。
学術論文の執筆やプレゼンテーション能力も求められるため、研究者としての総合的な力を高められます。将来、研究職や開発職でのキャリアを目指す人にとって、大学での学びはよい経験となるでしょう。

まとめ|気になったら、まずはオープンキャンパスへ!

バイオテクノロジーは、医療・食品・環境などの分野で私たちの暮らしを支える重要な技術です。メリットも多いですが、社会全体での理解やルールづくりも必要とされる、未来を担う分野といえます。バイオテクノロジーは将来期待できる業種なので、興味のある方は目指してみることをおすすめします。
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